描く事は考えることであり、事物の真の姿に眼を向けること。そこに在って見えない、目の前に在って感じることが出来ない美。美感の復興は全ての生き物達にとっての渇望である。未だ幼い頃に感じた驚きや疑問の数々、私は制作の中で美を使いそれらを解き明かし、やがて宇宙の摂理と出会うだろう。そういった日々の制作の姿勢を「美感のルネサンス」と名付けたい。

私の記憶が始まるのはこの世に発生して間もなくからの様に思われる。天井の木目を見たのが最初の記憶、産着は窮屈な上にとても暑かったのを覚えている。人間として生まれた第一印象は「新しい(自分の)入れ物は何て不自由なんだろう」最初に考えたことは「一体何故こんなところにこうやって(自分が存在して)いるんだろう」だった。
いつの間にか不自由だった入れ物にも慣れて45年近く経つが、依然として謎は解けぬままである。
本当は考える事だけして生きて行きたかったのだがそうも行かず、自由である事と考える事を大切にやって来たら画家の道を歩む事になって久しい。いつの日か「ああ、自分はこの絵を描く為に生まれて来たのだ!」と思える作品を描くことができれば全ての謎は解けるだろう。

略歴

1965年 九州天草生まれ
1990年 東京藝術大学油画科卒業
1992年 同大学院油画技法材料研究室修了

以後、描くことを通し普遍的独自表現探求の日々を過ごす。
2005年 独自画法『白亜地刻描』に到達
今も表現の可能性を探り続けています。

Biography

Born in 1965 at Amakusa island in Japan.
Graduated from Tokyo University of the Arts in 1990
and finished graduated school in 1992.
Since then,I had been devoting to establish my proficiency,and reached to the original painting technique(Hakuaji Kokubyou) in 2005.
I continue to explore the possibility of expression.