画面のハリ(張り)
芸術論とひとりごと
画面のハリは絵の強さやヴァルールといった要素にもつながります。
ハリのある絵(強い絵)は、画面の中に力の抜けた(弱い、ボーっとした、曖昧な)
部分が無い絵です。
以下の画像はミケランジェロのデッサンです。
画面の隅々まで神経の行き届いたデッサンですが、
画面左下の肩の辺りと帽子の天辺それぞれが画面の縁に接するあたりで弱く
(恐らく擦れてトーンが取れてしまったのでしょう)
画面の緊張感がそこから逃げている感じがします。
もしも分かりにくければ、問題の部分を手で覆って隠した部分が画面の他の部分と同じ様に、
いい感じで描かれているのを想像してみてから、パッと手をどかしてみると分かります。