輪郭線の実際 『線の様に見えるもの』
芸術論とひとりごと
昨日輪郭線の事を書いたので今日はその続きです。
輪郭線に限らずあらゆる線は、人間が便利なので使う事にした発明品です。
以下に線を2種類に区別します。
いわゆる線=文字を書くときの様な線
表情のある線=絵の中の線
実際にはありもしないのにモチーフが輪郭線の様に見えるもので表現されているのは
絵の中のその線がいわゆる線とは性質を異にしているからです。
下の画像をご覧ください。
私が19才の頃に描いたクロッキーです。
1ポーズの時間は20分ですが、実際に描いている時間は10分程度ですから、
細かなところを描いている時間はありません。
描画材料は研いだコンテです。
このクロッキーの中で使われている線とトーンは以下の3種類です。
この3種類の強弱を駆使して出来上がっています。
引いてある線は必ず線のどちら側かを描いたものです。
臀部の食い込みの所でも左右のお尻の間にいわゆる線は引いていません。
表情のある線で左右のお尻のどちら側かを描き表してあります。
人体と背景の境界もいわゆる線はどこにも無い事がお分かり頂けると思います。