画家の行う『単純化』
芸術家の使命の一つに単純化があります。
この単純化は情報量が減る種類の単純化ではありません。
言うなれば『難しい事を簡単に述べる』種類の単純化です。
絵画制作の中では、モチーフの全てを描くわけではありません。
実際にはそのまま描いてしまうと絵の中でノイズとして
働いてしまうディテール(細部情報)は多くありますし、
拡大解釈して描かなければならないディテールもあります。
単純化が上手く行った絵は、ノイズの無い画面として成立していますから
鑑賞者へ絵の内容がピュアに伝わります。
芸術家の行う単純化は、精製度の高い『粋』を伝える行為です。
追伸
世の中には簡単な事を難しく言う事を生業としている人達もいますね。
その意味で、学者と画家は対極的な存在です。