筆の長さの違い
画材の神さま
画材屋さんへ行ってみると水彩画用の筆は柄が短く油絵用の筆は長いものが並んでいます。
柄の長さの違いに「なぜ?」と思われた方も多いと思いますので
今日はその理由を書いてみます。
1.水彩画用の筆
水彩画用の筆は紙に対して筆を立てて使う場合がほとんどです。
理由は筆に取った絵の具を紙に吸い込ませるように付着させるからです。
また、筆を立てて描く場合に柄が長いと柄の先が目に近くなり邪魔になってしまいます。
総じて水彩画、日本画、共に水溶性の絵の具は粘度が低く紙に描いた絵の具が垂れて落ちない様に
画面を寝かせて描く事が基本で筆も重力に逆らわない使い方となります。
2.油絵用の筆
油絵の具は粘度が高いので画面に対して色々な角度で絵の具を付けることが出来ます。
実際に油絵用の筆は制作の各シーンで色々な筆の持ち方をします。
以下その例です。
キワの部分の絵の具のせめぎ合いの表情などでは下の写真の様に
筆の柄を回しながら付ける事もあります。
画面と出来るだけ距離を取って描きたいシーンでは下の写真の様に長く持って描く事になります。
油絵の制作はイーゼルに乗せて立てた画面に色々な筆の角度でアプローチする事で
一旦画面の上に乗せた絵の具を画面上で動かしてキメる事が基本です。
以上の理由で水彩画用の筆は柄が短く、油絵用の筆は柄が長く作られています。