立体的に描く『三次元的なやり取りの実感』

立体物を平面上(画面)に描く時の基本は光の当たり方の様子を利用することです。

人間の眼は普段の生活の中でも立体物を立体的に認識するために

無意識に光の当たり方の様子を利用していますから理にかなったアプローチと言えます。

絵画修錬の一つに採光を固定した状態で石膏像をデッサンする事がありますが

これもまた以下の理由により理にかなった課題と言えます。

1. 白くて動かないので光の当たり方の様子をしっかり観察する事ができる。

2. 白いモチーフを黒い画材で描く事でデリケートな画材の使い方をせざるを得ない。

3. 石膏像の原作品は優れた彫刻なので形の響き合う様子(美な関係)に

  目を向かわせる階梯となる。

そして目標は上手な石膏デッサンを描くことではなく

平面上で三次元的なやり取りを操る実感を得る事にあるのを忘れない様にすることが大切です。

色々な道具をつかって構図や寸法を測ることは修錬の本質に対して

百害あって一利無しです、避けましょう。

参照→モチーフを測ってはいけない

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