絵画制作のプロセス 2.情報の操作
芸術論とひとりごと
モチーフを観て得た情報は、多くの場合そのままでは絵に適した状態ではありません。
ですから先ずは観たままに正確に描いても『美しい絵』にならないのは
当たり前だと言うことを認識しましょう。
一つだけ例を挙げてみます。
下の写真では、光の当たった猫の鼻のこちら側には暗い陰影があります。
この部分をこのままの暗さで正確に描き写してしまうと
ネコの頭部の自然な立体感を損なってしまいます。
同様に現実の情報の適不適は、色、形、その他多岐にわたり
どのようなモチーフの場合にも混在して現前します。
『頭の中にプールした情報をどの様に描けば最も良い状態となるのか』
都合の良い要素は延長し、不都合な情報は控えめに扱うか又は削除するか。
削除した場合の全体への影響はどうなるか等々、、。
このプロセスは絵を創る本質部分であり
次のプロセス『3.イメージ通りに描く』の設計図となります。
『プロセス2.情報の操作』これがあるおかげで、
『絵は必ず現実よりも美しいもの』として描き上げる事が出来るのです。