制作の極意2.『描くでは無く、つくるニュアンスで』
描くでは無く、つくるニュアンスで
『描く』からは紙やキャンヴァスの表面をなぞるニュアンスを抱かれるかもしれません。
その昔画家が絵の具を自分で作っていたときは、顔料を油で練って絵の具にする作業や
板や麻布に地塗り作業をする工程があることで、
描くことは一連の絵画をつくる流れの中にありました。
画家は描くことに対しても、自然につくる感覚を延長して保つことが出来たのです。
絵画制作は、素描、水彩、油絵を問わず、紙やキャンヴァスに対して
どれだけ立体的なやり取りが出来るかで見応えのある画面となるかどうかが決まります。
実際には1mmに満たない厚みの中で行われるやり取りは画面の表面をなぞる感覚では不足です。
絵を描くことを絵をつくる感覚で行える事は、唯一無二の情報を有した
絵画制作に取り組んでいる意識へと自然につながります。
制作の極意 『絵は描くでは無く、つくるニュアンスで取り組み、また考える』