黄金比と美そのもの
1:1.618…この比率は美の比率を数値化したものとして広く知られています。
また黄金比と呼ばれるこの値は美しい値として様々な分野に応用されています。
視点を人間の身体に向けてみるといたる所にこの比率を見つけることが出来ます。
例えば人間の顔の比率についてスタンダードな比率を探してみると、
頭蓋骨、目、鼻、口、耳、生え際、それらの大きさやコンポジション(配置)
は多くの場所で黄金比に落ち着きます。
通常はここまでで十分なのですが、画家は
さらに美に関してもう一歩本格的に考えてみる必要があります。
その結果、1:1.618、、は美そのものの値ではなく、
美の近似値であることを理解するでしょう。
美は総合的に発生する一意の価値です。
画家は、美が黄金比近辺に発生する事を理解した上で
一意の美そのものを探さなければなりません。
昨日は美術解剖学を学ぶ画家の順路を書きましたが
同じように黄金比に関しても大切な順路があります。
構図や人体などを描く時に、予め画面の中に黄金比を用意してそれを疑わないのはNGです。
正しくは『画面の中で美を探した結果として黄金比近辺に落ち着く』です。
美は人間の感性にとって最も安全で安心感を得ることが出来る比率として存在します。
このおかげで心の絞りを開き安心して深層意識まで迎え入れることが出来るのです。
『黄金比は美そのものに共通の近似値』なのです。