デッサンは紙を変化させてキメる
描いているうちに紙は変化します。
描いたり消したりを繰り返すうちに紙の繊維が影響を受けて
紙から絵の部分へと変わる時を迎えます。
紙がこの状態になるまでの間に
作者は形や描写をキメる事が出来る様にしておかなければなりません。
形や描写のキメと紙自体の受け入れ準備は同時になる様にしないと
味わいのある見事なデッサンは生まれません。
いったん絵になる物質感へと変化した紙はその状態を
ある程度保った後疲れ果ててしまいます。
木炭デッサンで言えば紙の凸凹が潰れて無くなってしまう状態です。
木炭紙では薄口と厚口の二種類がありますが
薄口は紙の変化が早く厚口は遅い、また良い状態の持続時間は
薄口は短く厚口は長いのが特徴です。
木炭紙だけでなく他の紙についても同様の事が言えます。
追伸
私も30年前木炭デッサンしている時、
「いつもならここら辺で良い感じにキマって行くのにおかしいな」と思ったことがありました。
その原因は薄口と厚口の木炭紙の違いだと気が付いたのは後になってからでした。