図の力
芸術論とひとりごと
図は絵の要素の中で大きな力を持っているのは事実です。
画家の中にはピカソの様に「絵は図である」と結論している画家もいます。
絵の中でなぜ図の持つ力が大きいのかは人間の目が視覚情報を捉える時の特質に拠ります。
人間の目は、例えば色の違いと明暗の違いでは、明暗の違いの方を
優先して感じ取る構造になっています。
これは明暗のコントラストによる情報の方が生命生存に関わる
情報を捉えるのに便利な事に順応した結果かもしれません。
図情報は明暗コントラストと一体化した情報です。
詳しい説明は省きますが 図情報=明暗コントラスト情報 と考えて頂いても構いません。
絵は視覚に訴えかけるメディアですから、人間の目の特質から
絵の中で図が大きな力を持つことになるのは自然な事です。
追伸
鷹などの鳥類では上空から地面を見る時獲物となる小動物の動きの様な
ある種の動きのパターンが優先的に見えるようになっています。
ちょっと極端な例を挙げると、もし鷹が鷹の為の絵を描いたとしたら
図の持つ力は弱いものになるはずです。