「ありがとう」
言葉のスケッチ
夕方になって今日も何か、、と思いキーボードに向かっていると電話が鳴った。
掛かって来たのは熊本の妹からだった。
地震も落ち着いてきた様なのでお見舞いを送ったのが届いたとのこと。
遠くに居て何が出来る訳でもないので、景気付けに何かうまい物でも食べて
気分直ししてもらえればと思い送ったものだった。
私は電話口でお礼の言葉を聞きながら昔聞いた或ることを思い出していた。
アフリカのどの国だったかは思い出せないけれど、人に何かをあげた時に、
もらった人ではなく、あげた人が「ありがとう」という地域があるそうです。
その国でも人のために何かあげるのは善行に違いないのだけれど
その良い行いをさせてもらえるのは相手が善意を
受け取ってくれたからだという考えからです。
そんな事を思い出しながら電話を終えてしばらくすると、
今度はお袋から電話がかかってきた。
母の暮らす天草と妹の居る熊本市では車で2時間ほどの距離がある。
妹→母 の連絡網は、直ぐに 母→私 へとつながり
私はお袋からも「ありがとう」の言葉を聞くこととなった。
そうなるといよいよアフリカの某国流の心持ちになった私は
「ありがとう」と心の中でつぶやいていた。