小学校の頃 その1 (変な癖)
小学校の頃の私は変な癖があった。
6年生の時分には、腹筋にグッと一瞬力を入れるのがやめられず、
授業中その他いたる所でそれをやっていた。
幸い誰にも気づかれなかったので止めるきっかけも無かったのかもしれない。
そんな中、音楽の時間に事件は起きた。
クラスのみんなと音楽室に移動し音楽の先生の授業を受ける時
授業態度に厳しい先生は女性で音楽室はいつも静かだった。
歌ったり先生の話を聞いたりしている間にも私の癖は止まらない。
先生の話の途中、シーンとなった時にその瞬間はやってきた。
「ブッ」
静けさの中で音量のコントラストは大きい。
出てしまったのだ。
身体の状況にしてみれば腹筋に力を入れる状態はトイレで力むのと変わらない。
先生の目はまん丸だった。
無音の教室で私は静かに手を挙げた。
そして「出ちゃいました」と言いながら崩れ落ち、「ああ、終わった」と思った。
一瞬置いて教室は大爆笑に包まれた。
つぎの記憶は授業が終わって音楽室を出るところまで飛ぶ。
残りの授業時間中こらえていたクラスメイト達の笑いは再燃した。
「金子正直すぎる」お腹を抱えながら笑う女子、「ブッ」と口真似する男子たち。
そして音楽の時間放屁事件のほとぼりもさめた頃。
小学校では学期が新しくなるごとに、○○委員はみんなの投票で決められていた。
学級委員長はいつもお決まりの秀才君に相場が決まっていたのだが
一票、また二票と誰からとなく私の名前が挙げられる様になった。