油絵の具のこと

画材の神さま

油絵の具の構造は顔料+乾性油が基本です。

チューブから出した絵の具はどれも同じ様な固さになっていますが

同じ乾性油でも合わせる顔料によって練ったときの状態は様々です。

そこで絵の具の物質的な状態を揃えるために致し方なく体質顔料などが少量添加されます。

油絵の具の基本は、顔料:乾性油 が大よそ8:2ですから他の種類の絵の具

(水彩、アクリル、その他)と比べて高濃度の絵の具と言う事が出来ます。

言うまでも無く絵の具はチューブから出した時が一番濃度が高い状態です。

それを溶剤で描画に適した状態にまで薄めて使うことになりますが

油絵の具の場合にはテレピンを代表とする揮発性油を用います。

テレピン油は油絵の具と混ぜれば濃度を薄めるのに使えて、乾く過程では

揮発して無くなってしまうところは水彩画での水の役割と同じです。

油絵の具は顔料の粒子を乾性油が包み込んだ状態のまま乾燥するおかげで

描き終えた時の表情と絵の具が乾いた後の差が少ない絵の具と言えます。

これは制作者にとって大きなメリットです。

下の写真は1か月ほど前の12月21日にチューブから出した絵の具と

今日1月28日の絵の具の様子です。

12月21日

12月21日

1月28日

1月28日

1か月前の写真と比べてみると幾分変化しているのが分かります。

絵の具はこのまま酸化乾燥が進み収縮して完全に硬化します。

この過程で縮み方が激しい絵の具メーカーはNGなので気を付けましょう。

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