同色で比べる発色の仕方の違い
画材の神さま
油絵の具の混色をする場合、数色を混ぜれば出来る色を
わざと多くの色を混ぜて作ることがあります。
彩度、明度、色相、それぞれに於いて同じ色であっても
混色数の違いで発色の仕方に違いがあるからです。
油絵の具は色ではなく、ある色をした物質であることは先日書きました。
同じ色に混色するのに数色で済ませた場合と多くの色を混ぜて作った場合には
色としては同じでも物質自体は異なるものです。
かすかなちがいと思われるかもしれませんが
絵の中でしっかりとしたヴァルールを得るためには大きな違いとなります。
油絵の具の混色では単に色を作っているのではなく物質を捏ね合わせているのです。
ちなみに均一に混じり合った様に見えるまで混ぜ合わせた後
どれぐらい練り続けるかで油絵の具は微妙に表情を変えます。
こちらに関しても経験を積むことで手が無意識に最適な状態に練り上げてくれるでしょう。