絵の具のテスト
画材の神さま
私の使う絵の具は市販されている油絵の具をベースにして
油分を独自調整したものであることは以前に書いた通りです。
一旦着色して置いてその後削った線で描き進められて行く
『白亜地刻描』の性質上絵の具を厚く乗せることは出来ません。
絵の具が厚いと削った時にボロッと削り取れてしまい
美しい線や物質感を損ねてしまいます。
また同時にある程度薄い着色でも発色に代表される絵の具の効きに
高度なものが求められるので実際にテストしてみる必要があります。
下の写真は、調整し練り直した絵の具をテストしてみた所です。
顔料は不思議なもので、同じ成分比の油分で練り合わせても
堅牢さや固着力に大きな違いが生じます。
今回テストしている色は調整がシビアな色達です。
他にもそういう顔料(色)があります。
ちなみに油絵の具になる全ての顔料の中で最高の堅牢度を誇るのは
シルバーホワイト(塩基性炭酸鉛)です。
絵の具メーカーの油絵の具を練る機械のローラーのメンテナンスで
固着した絵の具を削り取る時にシルバーホワイトは
ノミとカナヅチを使って削り取らなければならなかったそうです。