F≒HB HB≠HB
画材の神さま
6H、5H、4H、3H、2H、H、F、HB、B、2B、3B、4B、5B、6B、
鉛筆の硬度の違いは、紙に対して付く濃さの違いでもあります。
6HとHBやHBと6Bの様に硬度に大きな差がある場合には
同じ筆圧で書いた黒味の度合いの違いもイメージし易いでしょう。
では6Hと5Hや、HとF、あるいはBと2Bの違いはどうでしょう?
実際に書いてみればわかる通りそれ程大きくは違いません。
硬度が隣同士の比較では筆圧次第ではで紙に付く黒さも
ほぼ同じにすることさえ出来ます。
普通の筆圧のHBで描いた黒さと、強い筆圧のFで描いた黒さを
光学的に測定したとして同じ濃さを作ることが出来るのです。
さて、それでは両者の間に違いが無いかと言うとそうではありません。
拡大して見ればわかりますが、紙に対する鉛筆の粒子の付き方が違います。
強い筆圧で描いた方は、より紙に食い込む様な線になっているはずです。
画家はその2種の違いを2色の絵の具を使い分ける様に使い分けます。
4H~4Bの10種類の鉛筆を使ってデッサンしたとして
画家が使い分けるのは10段階のトーンの違いではありません。
10色の絵の具を使って無限数の色を作り出す色彩画家がいる様に
単色相のデッサンの中にも無限の濃淡世界が作り出されます。