日用品が画材になる時
画材の神さま
私は画面に付けた絵の具をほんの少し延ばしたり取ったりしたい場面で
綿棒を使うことがあります。
通常は画材として扱われるものではありませんが
筆とはまた違ったデリケートな画面でのやり取りにピッタリで
その場その状況で欲しい表情を実現するために便利です。
他にも地塗りから作品完成まで様々な日用品を画材として使っています。
一般的な例では、木炭デッサンで木炭の粉をデリケートに取る
消しゴムの様なアイテムとして食パンが使われるのは有名だと思います。
そのパンも焼きたてのものは水分が多く含まれているので好ましくなく
2,3日経ったものの方が適していますし、バターなどが練り込まれている
高級品よりも、大手メーカー製のそっけない食パンの方が適しています。
画材の工夫を自然に試みる様になると言うことは、
あなたの画面が独自の表情を欲しているということであり
画家として誰もが獲得すべき真の個性へと分岐し始めた証とも言えます。
絵の個性とは物質体そのもののとしての特異の在り方を指します。
感性を祝福してあげましょう。