油絵の具
顔料を何を接着剤として画面に付着させるかその接着剤の性質により、油絵の具、水彩絵の具、アクリル絵の具、テンペラ絵の具等と呼ばれます。
油絵の具を選択する
顔料、油、練り、艶、等の総合的な物質感に品位があるかどうかが大切です。マツダスーパー(日本製)、ブロックス(ベルギー製)が最高品質でお勧めです。
絵の具と色の選択
油絵の具の場合各メーカー100色程度の絵の具を作っています。その中でどの絵の具を選べば良いのか迷われるかと思いますので、
以下に注意点とお勧めの絵の具を書いてみます。
1. 絵の具の元となる顔料は様々な化学組成をした物質の粒子ですので、
組み合わせによっては化学変化を起こし変色する恐れがあります。
(実際には理論通りには変色しなかったりしますが疑わしきは避けましょう)
2. 混色することであらゆる色が作り出せること。
3. 絵の具は混色すると段々彩度が落ちて行きますので出来るだけ
鮮やかな純度の高い色を選びます。
4. 高い堅牢性を持っていること。
マツダスーパー油絵の具でセレクトすると以下の様になります。
白色 シルバーホワイト、チタニウムホワイト
黄色 イエローオーカー、カドミウムイエロー
朱色 バーミリオン
赤色 カドミウムレッド、カーマイン
青色 ウルトラマリン、コバルトブルー、セルリアンブルー
緑色 ビリジャン
褐色 ローシェンナ、マルスブラウン、その他褐色は適宜お好みで
黒色 ピーチブラック
※同じ色味の絵の具にある、○○ディープ、○○ミドル、○○ライト、などはお好みで選んで下さい。
大体以上の様になります。
○○チント とあるものは○○が高価な顔料の為、色を似せた偽物なので避けます。
例)バーミリオンチント、など
クロームが名前のどこかにあるものはカドミウム○○の絵の具と混色すると変色の恐れがありますので
避けましょう。
例)モノクロームグレー、クロームイエロー、など
油絵の具の特徴
油絵の具の特徴として以下の点が揚げられます。
描き終わってすぐの絵の具が乾いていない状態と、時間が経ち絵の具が乾いた後の表情の差が、非常に少ないのが特徴です。(アクリル絵の具など水溶性の絵の具のことを考えてみればわかります)
一層ごとに乾燥させ何層も重ねて描いたり(古典技法)画面の上に絵の具を置いて行く様に描いたり(ゴッホ)、一旦付けた絵の具を削り取ったり画面の上で混ぜたり、物質的な表現の幅に他の絵の具に例を見ない多様性があります。