テレピン油は生鮮画材
画材の神さま
私が持っている油絵の具では30年以上前のものが、
ちゃんとした絵の具の状態を保っていますし、
筆も同様に使い込んですり減りこそすれ、
経時変化でダメになることはありません。
鉛筆、木炭、コンテ、キャンヴァスなども相当の時間が経っても
良い状態を保っています。
そんな比較的長持ちするものが多い画材の中で
変質し易いものの代表がテレピン油です。
精製度の高いテレピン油は芳香成分αピネンが多く含まれ
良い香りがしますが、変質したものは匂いが変わって
ベタついた感じになります。
絵の具を薄めたり、石鹸で洗う前に毛に付いた絵の具を
すすぎ落とすのにも使うテレピン油は画家にとって
もっとも頻繁に使われる油分です。
常に新鮮なものを用意して一日の制作が終わったら
持ち越したりしないで捨てる様に心がけましょう。
追伸
視覚偏重が絵の世界と思われるかもしれませんが
制作に関わる所では他にも嗅覚を頼りにする機会が結構あります。