制作の中の当り前 『曖昧の排除』
何も考えずに手を動かして名画が出来上がる可能性は
キーボードをチンパンジーに叩かせて
傑作小説が書き上がる確率と同じです。
何となく見て、雰囲気で鉛筆や絵の具を付けていませんか?
あいまいさをどれだけ排除した制作をすることが出来るかが
あなたの実力を高めます。
【モチーフを観る】
どこを見ているのか、そこはどうなっているのか(起伏、色、質感)を鋭いピントで観ます。
自分がモチーフのそこを這う蟻になったつもりで。
起伏を辿り、色を確かめ、質感を触覚するように観ます。
或いは、舌先で舐めて確かめる様に観ます。
【今まさに描くところをどうしたいか】
まさしく今描く部分にどうなって欲しいのか
無理にでも明確にイメージしてください。
設計図無しに家を建て始めたりしないでしょ
絵画制作もそれと同じです。
【描画材料をどう付けるか】
画面と今まさにコンタクトしている描画材料自身になりきる気持ちで描きましょう。
以上のことを守って描かれた結果発生する狂いや、間違い、歪み、は大いに結構です。
そこにはあなた自身の眼が反映されていますから
描き直す時の手助けになり、描き直した痕跡も絵の魅力となってくれます。