絵の寿命
芸術論とひとりごと
せっかく描いた絵は描き終えた時のままの状態で
出来るだけ永く存在し続けて欲しいものです。
材料面で無茶をしてしまうと傑作も寿命の短いものになってしまいます。
有名な例ではレオナルドダビンチの最後の晩餐も材料面では失敗作です。
市販の油性キャンヴァスの大半は白い色をしています。
麻布の上に膠層があってその上に白色塗料が塗られているのですが
それが剥離面になりかねないので、少々手間ですが出来れば麻布の状態で購入して
自分で膠を塗って描かれた方が良いと思います。
膠は絶縁層となって麻布に油絵の具の油分が吸い取られるのを遮断しながら
同時に油絵の具との接着性も良い性質があります。
油絵の具とキャンヴァスの発明以降、数百年程度の耐久性は証明されています。
物質的な構造面がちゃんとしている絵は、極端な温度、湿度、紫外線の影響が無ければ
とりあえず千年程度の耐久性はあるはずです。
私も絵の耐久性に関しては考え得る限りの工夫をしています。
しかしながら千年となると追跡調査するには寿命が足りなさそうなので
我が絵の行く末を見届けられないのが残念ではあります。