一筆で二つ以上の美をつくる
絵の中には「循環する無限」をつくる事が出来ます。
画面の中を多くのバランス関係(美を感じる状態)にすることで
鑑賞者が見飽きることの無い循環する無限が出来上がるのですが、
そのためには、構図、形、色、明暗、マチエールなどの
異要素間を立体的に美で繋がり合った構造にしなければなりません。
では、どうやってそうするかと言うと
一つのアクションで何か所にも響き合う(美な関係になる)様に描くことで実現させます。
例)A地点に塗られた赤い絵の具がB地点青い色とも
C地点の形とも響き合った色使いやマチエールになっている。
この様に、一色を塗る時にも2か所以上と美の関係が発生する様に
色を選び塗り方を工夫する事が必要になります。
こうして制作を進めることで画面内には莫大な数の美の関係が発生します。
鑑賞者の目は美の関係を次々に渡り歩く様に観て行きますから
視線を無限に循環させることが可能になる訳です。
『一筆で二つ以上の美の関係にする』が極意です。
常にこの状態で制作する事が出来れば「循環する無限」を捉えた名画が出来上がります。