『本格的な嘘』
芸術に個性は必須です。
仮に、モチーフをリアルに描く画家を10人集めたとします。
そしてその10人が同じモチーフを描たとします。
10人が素晴らしい画家であれば、10通りのリアルな絵が出来上がります。
つまり10種類のリアルが発生したことになります。
様々なリアルがある中で1種類だけ良しとされないリアルがあります。
何だと思いますか?
それは、置き換えです。
カメラ等が行う様にモチーフ情報を、絵の具に置き換えただけであった場合
それは良しとされません。
昨日書いた画品とも関係しますが、モチーフの情報秩序を出来るだけ多く遵守するのが
リアリズムの世界ですが、その情報を美になる様ちょいと操作するのが画家の手腕です。
すごく簡単に言えば、『本格的な嘘』が入っていない絵は駄目と言う事です。
この独自の本格的な嘘をつける様になるのに何十年も掛かるのです。