描き込みの効能
芸術論とひとりごと
描いては消し描き直す、を繰り返すことは、どうやって描きあがったのか
分からない見応えのある絵にするための一番の方法です。
通常絵は描き込めば描き込むほど良い絵になって行きます。
描くを押すこと、消すを引くこと、に例えると制作の進め方は
『押して引く』ではなく、『押して押して押して引く』
の感覚で臨んで丁度良い位になるでしょう。
絵に深みが出てこないのはチョチョッと描いて消すを繰り返すからです。
さて、それでは何処までも沢山描き込めば良いのかと言うと
絵の制作には丁度良い止めどころがあります。
言うなればその絵の最高地点です。
そのタイミングを掴んで筆を置ける能力は、その地点を通過して
『描き潰した絵』を何枚も描いた経験が育んでくれます。
絵の完成を判断する眼が育つことが描き込むことの一番の効能です。
バンバン描きましょう、描き過ぎはありません。