『勘』を育む
一枚の絵を描き始めから完成させるまでのプロセスには
色々な制作の勘所があります。
制作の大切な案内役である勘ですが、培うには経験あるのみです。
しかも大変難儀な事に『上手くいかなかった制作の感じ』
が潜在的な記憶として一つ一つ仕舞われて行く事で育まれるものです。
集中して描いていたのに、あるタイミングでパっと画面から離れてみたり
一日の制作の終えどころや、制作の速度、その他何となく感じるソノリテ等
絵の成否を決めるのは自分の持っている勘が上手く働いたかどうかで決まります。
画面は毎回新たな一枚です。
その一枚で描かれていく制作の内容も一回限りのライブです。
育むのには膨大な経験が必要な勘ですが、毎回必ず頼りになる存在です。
制作が失敗に終わった時、「今回は大切な勘を育んだ一枚だった」と考えましょう。