画家の根幹要素 イントロダクション
私が絵に本格的に取り組み始めてから三十数年が経過し
描いた絵は相当数に上りその変遷も色々ありました。
また、『白亜地刻描』に至ってから現在までの10年余りの間もその変化は続いています。
本ブログ中ではよく「アイデアではなく必然」とか「模倣ではなく独自」
或いは「流行りではなく普遍」という言葉を使って来ました。
必然、独自、普遍、ことばで言うのは簡単でも、実際の制作でどの様に
それらを実践するのかは誰も教えてくれないものです。
しかも一つのテクニックをマスターする様な容易いものではなく
一画家の在り方に関わる根幹要素ですからとても厄介です。
100人がゴッホと同じ環境にあってもゴッホの絵に至る事が出来るのはゴッホだけです。
故に画家を志す人がもっとも欲っすべきものでしょう。
自分にとって必然的な制作を続け、独自の画面の獲得を目指し、
やがて普遍的な美に至る。
この軌道に自分の在り方を乗せる為にはどうすれば良いのか、
今日からの数日間は、私の三十数年間の経験から言えることを
思い付くままに挙げてみたいと思います。
その1. 近道しない
ゴールに至る事が大切なのではなくむしろゴールに至るまでに辿る経路、過程が大事です。
近道する事で早くゴールに到着する事が出来ても無意味です。