コツを掴むのが早い人は不利
何の世界にもコツの様なものがあり、それに気が付くと理解や上達が訪れますね。
絵画制作の場合にも確かにコツの様なものはあります。
その幾つかは言葉で決して伝えることの出来ないニュアンスのもので
自力で獲得するしかないものです。
例を上げれば、かたちを正しく見える様に捉えるコツや
美しい色使いのコツや制作を成功させる呼吸法の様なものです。
コツを捉えることが早い人も居れば遅い人もいます。
大抵はコツを早く捉える人の事を才能があると考えがちですが
本当はそうではありません。
絵画制作の様々なコツを捉える事も大切ではありますが、
本当に大切なのはコツを捉えようとする過程で遭遇する、
大よそ計算ではあり得ない組み合わせの場面に出会って置くことにあります。
コツを捉える過程で生じる副産物が潜在的な部分に蓄積されて
将来へ向けての、本当の才能を育んでくれるのです。
そういうオリジナルの辞書を持った人は、通常考え得ない正しく天才的な
一大跳躍を実現します。
コツを掴むのが早い人は不利なんです。
今、本気で絵に取り組んでいて上手く行かない只中に在る30年前の私へのエールです。