第四章
芸術論とひとりごと
普遍への順路
私には普遍の美への順路が以下の順番に並んでいるように思われます。
【現実】→【変】→【異常】→【狂気】→【特異】→【普遍】
【現実】から【変】への移動は簡単です。大抵みんなどこかこの部分を持っています。
↓
【変】から【異常】への移動は少し大変です。
ここから先の領域になると絵の中に内容が入り始めます。
↓
【狂気】辺りまでいくには人生を掛けてやらないといけません。
↓
【特異】に到達するには才能としか言いようのない物が必要です。
このあたりから時間が止まり始めます。
↓
【普遍】、とても静かな境地です。
制作していると
制作していると全く突然に、いろいろな物事の理解がやってきます。
絵を鑑賞なさる方へ
自分の目を信じてください。
評判や説明に惑わされてはなりません。
パッと見た瞬間(0,00001秒)に感じる何かがある絵だけを観てください。
ある、と、ない
何かがあると言う事を証明するには一つを言えば良いのでたやすいですが、
何も無いと言う事を証明するのは、
全てが無い事を言わなければならず骨が折れます。
美味しいとまずい
味覚で言うと
『美しい』は美味しい、『汚い』はまずいに当たります。
新しい表現は料理で云う所の新しい食材、調味料の組み合わせに相当します。
ただし、食べられるお味になっているかどうかは別問題。
美しい花と花の美しさ
ある国文学者が「美しい花は在るが花の美しさはない」といったそうですが間違いです。
花が美しいかどうかはそれを目にした人や生き物の数だけ違いがあります。
存在するのは、花を見た人や生き物達が「美しいと感じた瞬間」です。
「花の美しさは在る」が正しい。
余談ですがデカルトは全てを疑ってかかり、
疑うことをしている自分の存在だけは疑えなかったと言っていますが、
もっと先があります。
要は考えることを終わりにしてはいけないのです。