制作の中の当り前 『無茶をしない』
芸術論とひとりごと
無茶をすれば絵は直ぐに壊れます。
昨日書いた「あいまいなまま画面を触る」ことも無茶の一種です。
よく目にする無茶として描画材料の使い方の無茶があります。
例えば、デッサンする時に未だどうなのか分らない段階で
強い線や強い調子(この場合は濃度)を付けてしまえば
それは、絵の一部では無く、単なる汚れとなり画面全体を見づらくし
その後の制作を強力に邪魔します。
ここで一つ提案があります。
デッサンを以下の設定で描いてみてください。
描くデッサンは2枚です。
制作時間はそれぞれ3時間ずつ。
モチーフ
テーブルの上に白い皿
その上にリンゴと玉ねぎを一個ずつ乗せる。
構図は下の写真の様な感じです。
用意するもの
厚手の紙のスケッチブック
鉛筆 4H、HB、4B の3本
※消しゴムは無し
デッサン1
鉛筆を4B→HB→4Hの順に1時間経つごとに持ち替えて下さい。
つまり最初の1時間は4Bだけを使い、次の1時間はHBだけを使い、
最後の1時間は4Hだけを使って描きます。
デッサン2
鉛筆を4H→HB→4Bの順に1時間経つごとに持ち替えて下さい。
つまり最初の1時間は4Hだけを使い、次の1時間はHBだけを使い、
最後の1時間は4Bだけを使って描きます。
どうでしたか?
実践してみれば一目瞭然でしょう。
デッサン1のやり方には無理があります。
画材の使い方の無茶はストレートに制作に影響します。
様々な場面でこういった事がが起きますので『無茶なことをしてないか』考えてみて下さい。
そして『制作の為の当たり前』を一つずつ増やして行きましょう。