全てが主役と考える
芸術論とひとりごと
『絵は美しい物質そのものでなければならない』
何回も本ホームページ上で書いて来たことです。
美しい物質そのものは明確なヴァルールと一体化して強く良い絵となります。
明確なヴァルールを得る為には「モチーフとそれ以外の背景」という考え方ではいけません。
下の図の様な構図で制作する時、モチーフはリンゴ、床、壁、の3つあると考えます。
構図に関してよく耳にする「主役と脇役の関係を考えて」と言うのは間違っています。
「主役とそれ以外の脇役、背景」ではなく「全てが主役」なのです。
リンゴが出来上がるためには床と同時に、壁と同時に出来上がらなければならない事は
実際に描いてみれば理解できることです。
リンゴと床は同時に出来上がるものです。
同様にリンゴと壁も同時に出来上がります。
「出来上がるとは相対的な関係の様子が定まる」と言う事です。
ヴァルールが決まるとはこれを言います。