『つべこべ言わずに描く』

芸術論とひとりごと

「つべこべ言わずに描く」

スケッチブックにメモや図が多いと大抵最後はこの言葉が記されています。

制作は常に前作が次作を描かせる連続体で成り立っていて

前作と次作の間に「考える」時間が入ります。

一番確実で健康的なのは、画材、素材に関する工夫をすることで

ほぼ間違いなく次作をより良いものにしてくれます。

それに対し、制作の内容について考える事は

「何も考えないのは愚で、考え過ぎるのは毒」として働きます。

考え過ぎて分らなくなるのは未だ良い方で、

妙な結論に至ると目も当てられません。

机上の空論という言葉がある様に妙な結論を制作に移したとたん

例外無く画面に叩きのめされるでしょう。

どの様な場合にも考えた分しか絵にならないのでは不足なのです。

「私は描かずに考えたりしない」と言っていた巨匠もいます。

制作と制作の間に少し考えて、

お後は『つべこべ言わずに描く』これに勝る金言はありません。

私の座右の銘でもあります。

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